松江かわら版No7

松江の魅力、島根の魅力とは

昨年から今年にかけ、松江、島根ではイベントが目白押し。しかし本物の文化だろうか?

 

「神話博しまね」〜古事記1300年博

 7月21日から11月11日の約3カ月に渡る神話博も、中盤戦にさしかかった。この「神話博しまね」の目標は、島根の観光誘致。予算25億円(4年間で)。2000年〜2013年度末の4年間の来県者増加目標500万人。4年間?もう2年間は過ぎてるが?

 正直・・だれの目にも・・これは・・・大失敗博。税金の超無駄遣い。島根県政の行き当たりばったり性の暴露。島根の文化への侮辱。「シマネッコ」が島根の文化?谷村新司?

 実は私自身「古事記1300年」という言葉にひかれ、10回の通訳ボランティア養成講座に参加。1回目は通訳ガイドの手引きの充実した内容。2回目は・・・外人講師に堀尾吉晴公は平和時に要塞城を築いた被害妄想狂にされ、3回目は隠岐郡西ノ島町の魅力満載。次の2回は出雲大社めぐり。募集された時には5回分の講座が表記されていた。で、残り5回分は?なんと決まってなかった!5回目の時点で、残り3回は某私立学校の外人講師、2回は未定と。こんなのありか?・・・というか、これが神話博の実態。私の中での神話博は終わった。

 

宇豆柱の謎?
 
神話博の特設会場は、「古代出雲歴史博物館」の駐車場。これは良い。博物館と特設会場で古代出雲を満喫してもらえる。ところが、驚いた事に、博物館の超目玉の一つ、宇豆柱が「大出雲展」で京都国立博物館に出張中。その後東京国立博物館で11月25日まで。つまり、肝心な神話博の間中、国宝10件と重文35件が不在。京都での大出雲展の記事に、「本物の宇豆柱に『感激』」とある。「いったい、これはなぜ?」と神話博に問い合わせると、「うちでは言えない。歴史博物館さんに聞いてくれ。」の1点張り。しかたなく歴史博物館に問い合わせると、「この大出雲展は3年前に決まっていたものです。京都、東京、そして来年の出雲大社遷宮に合わせ、出雲で開催で3部作完結。神話博さんはあちこち会場を探されて、結局うちの駐車場をお貸しすることに。」なんという!神話博の準備は2年前の9月に始まり、翌年3月に県議会を通過している。つまり、宇豆柱等が歴史博物館から県外に行くことは、事前に分かっていた事だ。なんともはや、「行き当たりばったり博」を象徴するような驚きである。

 

神話博の特設会場の入場者数目標40万人。9月10日現在25万人で入場者数は目標達成圏内。しかし満足度は? 先日若手()県議と市議6名ほどの座談会。テーマは「神話博しまね」。いや〜、ふつう社交辞令というものがあろうが、滅茶苦茶のこき下ろし大会。映像館は八岐大蛇で20分、500円。「おもてなし広場」はやたら焼きそば屋らしい。神門通りは平常時より閑散。こんな思いつき博に県民の金25億円。ちなみに県民一人当借金は島根が堂々全国1位。

開府400年博・検証

 昨年3月19日、「松江歴史館」開館に合わせて開始予定であった博覧会は、311の自粛でゴールデンウイーク辺りから本格的に始まり、12月末閉会。開府博の目的はやはり観光誘致。市民の税金投入事業である。成功であったのか税金の無駄遣いであったのか検証してみる。

経済効果・・・観光誘致ならまずこれである。宿泊施設から観光施設などで旅行客が松江市に落としていった総額は、2006〜2011年までの5年間で620億円。しかし、肝心の開府博の年だけの統計はない。さらに、2005年以前の資料はない。つまり検証する術がない。仕方が無いので松江城登閣者数で比較してみた。

2010年1月〜12月末 28万1769人

2011年1月〜12月末 29万6842人・・・ほんの1万5073人増

 

じゃ〜ん!ここで「平成23年版 松江市観光白書」なるものを発掘。

平成23年度版 松江市観光白書

★驚いたことに、この号をやっとHPにUPするのまでの1年間に、「風評被害」という言葉が削除に!風に飛んで行った?

それによると、「東日本大震災や原発事故による風評被害の影響により、観光客の入り込みにとっては厳しい1年となりました。平成23年の松江市の観光入り込み客数は、対前年比
4.31%減の839万人となり、昨年に引き続いて前年を下回ることになりました。」風評被害?島根原発事故じゃないんだけど。

 とりあえず、バイキング料理屋に入った様な、あれやこれやのイベントと大騒音で、減!御勘定書は5億8000万円。そのうち3億6000万円が市からの寄付(税金)。その他5年間に延べ13人の市職員が出向しているので、平均給与からすると人件費8060万円支出。その他バスの広告ペイント費60万円などなど、細かく調べていけば4億円近い税金が使われた。

財政難 お祭り騒ぎの 夢のあと

松江だんだん夏踊り・・・お祭り騒ぎの夢」がここで終わったわけではない。昨年の「市民参加形イベント」だという「松江だんだん夏踊り」が今年も催された。今年は徳島から、阿波踊りの一行50名ほどがゲスト参加。大音響が鳴り響く中このイベントは始まった。あれっ、それにしては人出が少ない。沿道にしゃがみこんだ人々の間に隙間も。最初の阿波踊りを見終えて帰る人も多数。出先からの帰路、トリの松江市役所組の松江夜曲を見る。このころには沿道の人出もまばらに。大手前広場を通ると、こちらは屋台とビールでけっこう盛り上がり中であった。

 ところでこの勘定書。驚愕。2480万円!えっ、えぇ〜!どこにそのお金は?徳島の阿波踊りご招待のお金は下二桁の80万円くらい。あとはアマチュア。残り2400万円は?大手前広場に特設ステージが出来ていたが、うちの工務店さんに頼めば70万か80万円とみた。真夏の午後の謎。ちなみに昨年の夏踊りは3000万円。他のイベント費用も調べてみた。

暖談食フェスタ

662万円

お城まつり

462万円

松江武者行列

1400万円

忍者ふぇすた

400万円

松江水郷祭

1858万円

縁結び夏あかり

470万円

松江水燈路

381万円

松江祭鼕行列

280万円

おでんサミット

520万円

松江城大茶会

1400万円の一部寄付

城山公園菊花展

200万円

大つな引き大会

460万円

この他にも各種多様なイベントあり。しかし市民参加形なら、水燈路や鼕行列の予算が妥当では。

城山北公園線・・・の驚き!

 この工事が始まって、もうどのくらい経つだろう。月日が経つにつれ、増加する予定だった交通量は着実に減少、すでに一万台以下に割りこんだことは確実である。

 ところで一つ、ほとんどみなの知らない事実がある。実は・・・この城山北公園線4車線化の西の端は、島根物産館前である。簡潔にいえば、そこを過ぎれば今と同じ3車線。4車線で走ってきても、大手前駐車場(国有地)で3車線に。借金日本一の島根県が百億円以上の金をかけてきたこの事業は、いったい何なのだろう。島根物産館から駐車場を奪って潰す、内部抗争? 最近、陰謀説にハマっているもので・・・。

しかし、もしかしたら、近い将来、島根原発再稼働の裏取引で・・・

松江歴史館って、観光施設なんだ!

 松江歴史館は学術施設だと思っていた私は、側溝の石垣の年代や、江戸時代の堀の深さなどを尋ねに行った。今の堀の高さは明治以降にかさ上げされている。しかし学芸員(3名)に尋ねても余りテキパキした回答は無い。調べますと言われ待っていると、常設展示室の映像の音と谷村新司の曲がガンガン。館内の一番はじ。「博物館でこの音は問題では?」と言うと、事務局長に「ここは観光施設で、静かすぎるとお客様が普段通りにお喋りできないと苦情が参りますので。」と言われた。松江藩の大切な資料を保存し、学術に役立てる施設じゃなかったの?
 


2012 915日刊 / ネット matsue-kawara.com/

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